Blog
ブログ
2022.11.26

小雪 初候 虹蔵不見

立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至等を経て大寒で終わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。これらをさ らに三つの候、初候、次候、末候に分けたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」。二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせたものが「気候」の語源と言われています。
小雪 初候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)
11月22~26日頃がこの候。二十四節気の「小雪(しょうせつ)」に入ります。雪が降り始める頃という意味ですが、都会では年に一度か二度くらいしか積もるほどの雪は降りません。初雪、なんていっても「見た?見えた?」というレベル。とはいえ、冬が始まることに変わりはありません。
「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」とは、虹をあまり見かけなくなるということで、「清明(せいめい)末候 虹始見(にじはじめてあらわれる)」(4月14~19日)に対をなす候です。「虹」って、昔の人は生物だと思っていたようで、日本では1200年頃まではそう考えられていたらしいですよ。中国でもそうで、だから、漢字に「虫」がついているんですね。世界中でもそうだったようですが、古代ギリシャでは紀元前300年頃にはもう物理現象であると分かっていたようで、学問の差が1,500年もあるんですね。その頃のこの国はいわゆる「縄文時代」ですかね。弥生人が渡来し始める頃かな。あー、だからそういう知識が入ってきたということか。しかし、それは縄文人が理解したのではなく、理解している弥生人が住み始めたという事ですよね、つまりは。余談ですが、その頃の中国は「キングダム」の時代ですね。
さて、11月23日は「勤労感謝の日」です。これはもともと秋の収穫の感謝を捧げる「新嘗祭(にいなめさい)」という祭事でした。戦後GHQによって、宮中の祭事であったため(国家神道の色を消したいので)、休日という形だけ残し「勤労感謝の日」という祝日に変更されました。
本来は旧暦11月の2回目の卯の日に行なわれていましたが、明治時代に太陽暦が採用された年の11月の2回目の卯の日が23日だったため、この日に固定されました。ちなみに、このときはまだ「新嘗祭」です。そして、「新嘗祭」は今でも宮中や伊勢神宮などで行われています。

アンコウがスーパーに並んでいるのをよく見かけるようになりました。文化的にはどちらかというと西より東寄り、というか東北のイメージがありますが、日本一の水揚げ量は山口県の下関で2位が島根県。東の1位は青森県。青森県で2位の風間浦村では独特な水揚げの方法で生きたままいつでも水揚げできるので刺身でも食べられる珍しい地域で、「風間浦鮟鱇(かざまうらあんこう)」というブランドを立ち上げ一躍有名になったのです。
アンコウといえばあん肝。フォアグラより美味しいという人も多いですね。そして鍋。あらゆる部位を放り込むアンコウ鍋はもともといわゆる漁師飯で、水を使わず野菜とアンコウの身の水分だけで炊き上げる「どぶ汁」という名で知られています。水を使わないのは、船の上では水がとても貴重品だからです。味付けは味噌。まず土鍋で肝を空焼きして作り始めます。アンコウ鍋は肝がミソということです。
アンコウは捨てるところがない魚で、「吊るし切り」が有名ですが、捌いた後には歯の部分しか残っていないほどです。吊るして捌くのは、アンコウがヌメヌメしていてまな板の上では捌きづらいからです。そして、解体されたその部位を「アンコウの七つ道具」といいます。「肝、身、皮、布(卵巣)、エラ、ヒレ、胃袋」の七つ。それ以外でもほほ肉も食べますし、「とも」という尾びれを含んだ部位もありまが、その「とも」、肝と身を味噌で和えた「ともあえ」という料理では使いません。
さてリンゴのお話。
「りんごが赤くなると医者が青くなる」という言葉があるほどに栄養価が高いのですが、りんごの部分を柿やトマトに変えた同じ言葉もあります。あとは「蜜柑が黄色くなると・・・」とか、「柚子が黄色くなると・・・」などがあります。イチジクや桃も不老不死の果実なんて言われていましたが、今上げた中でトマト以外は全て果物ですね。果物、食べてますか?
リンゴに戻ります。イギリスにも「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」という言葉があります。それから、スペインでは「毎日のリンゴは医者の費用を節約できる」なんてのもあります。
で、何が凄いのかってね、そこですよね。カリウム、カルシウム、食物繊維、ビタミンC、クエン酸、そしてポリフェノール。しかも加熱しても栄養価はそんなに変わらない、どころか、抗酸化作用は増すらしいですよ。食物繊維やポリフェノール、有害物質を排泄してくれるペクチンは皮やその近くに多く含まれるので皮まで食べるのがベストです。効果で特筆すべきは、LDLコレステロールを下げることと(今だとキャベツとブロッコリーもよい)、抗酸化作用ですね。つまり老化防止やガン予防。本当に医療の世界で実験も行われていたようで、さすがに「医者いらず」は大げさだが、その効果は医者のお墨付きです。
さっきも書きましたけど、果物、食べてますか?とりあえず、時々でも、旬の果物を意識して食べることを心がけましょう。美味しい上に健康的なんですから、こんな良いことはありません。
余談ですが、アーサー王伝説に出てくる幻の島「アヴァロン」。これはケルトの古い言葉で「りんご」あるいは「りんごの島」という意味で、聖書におけるエデンの「知恵の実」にも通ずるものだと思われます。ギリシャ神話にも金のリンゴが植えられてる楽園「ヘスペリデス」なんてのもあります。全ての起源はケルト神話における「ティル・ナ・ノーグ」、「常若の国」あるいは「常春の島」などと呼ばれているリンゴの木がある島であるといわれいます。はい、僕の好きな話。