十六夜の月とは

中秋の名月である十五夜の翌日の少し欠けた月の遅い時間に出てくる様子をためらっているとし、
ためらうの古語「猶予う(いざよう)」という言葉を当て「十六夜(いざよい)」と読むようになりました。
地場野菜や季節に合わせた食材を使った 世界各国の家庭料理で、心も身体も健康に

地場野菜や季節に合わせた食材を使った
世界各国の家庭料理で、心も身体も健康に

ワインバーではありますが、料理にもこだわり、
七十二候に合わせて食材を選び、
素材の持ち味を存分に引き出すのがこの店のスタイル。
【ワインと料理 十六夜の月】との店名どおり、
品質重視で選んだワインとお料理を
お客様の好みを聞いて作り、ご提供いたします。
あえてジャンルにこだわらず、
その日の食材を使った家庭料理のようなおいしさを追及します。MORE

料理

オーガニックや地産地消で​あえてジャンルに
こだわらず、本物のおいしさを追及します。MORE
料理

飲み物

常時10種類以上のグラスワインをご用意しております。温度・湿度管理が徹底された品質重視で選んだ
ワインがそろっています。MORE
飲み物

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2024.12.04
今日からランチ 15時までやってます パンは地元のパン屋さんの 焼き立てを用意してます #ランチ #パン #オープンサンド #ベーカリー南 #ワイン #バー #センター南 #ワインと料理十六夜の月
2024.12.03
泉区片野農園の野菜たち 野菜は鮮度です 袋から出して撮れば良かったかな あー きのこは緑区新治産 #横浜野菜 #地場野菜 ##横浜市泉区 #片野農園 ##ワイン #バー #センター南 #ワインと料理十六夜の月 #新治市民の森 #きのこ #椎茸 #あわびたけ
2024.11.29
ランチのメニュー 12月4日(水) から始めます #ランチ #センター南ランチ #オープンサンド #シチュー #ビーフシチュー #ワイン #バー #ワインと料理十六夜の月
2024.11.28
瀬戸酒造 神奈川県開成町 新進気鋭の酒蔵 左から THAT'S LIFE(愛山) 月が綺麗ですね(山田錦) 音も無く(山田錦) かくかくしかじか(雄町) はるばる(雄町) 言葉では伝えきれないので 飲んでもらうしかありません #日本酒🍶 #神奈川県 #酒 #開成町 #瀬戸酒造 #ワイン #バー #センター南 #ワインと料理十六夜の月
2024.11.27
12月4日(水)から ランチを始める予定です まずは オープンサンドとビーフシチュー 内容は季節と気分で変わります 写真は試作品 11:00〜15:00(14:30L.O) 詳細はまた #ランチ #オープンサンド #シチュー #ビーフシチュー #センター南 #ワイン #バー #ワインと料理十六夜の月
2024.10.30
10月31日(木)は 貸し切り営業となります ご了承下さい #ワイン #バー #センター南 #ワインと料理十六夜の月
2024.09.07
センター北 ボッシュカフェ #bosh #cafe_1886_at_bosh_yokohama #ボッシュカフェ
2024.07.05
今月のスワッグ 入り口の花 毎月変わっているので ちゃんと見てくださいね エダキンのフラワーショップゆうくんの作品です #花 #季節の花 #スワッグ #リース #エダキン商店街 #ワイン #バー #センター南 #ワインと料理十六夜の月
2024.06.25
本日(6月25日)は 休業とさせていただきます 突然ですみません 開成町にある 瀬戸酒造へ行ってきました とても楽しく有意義な時間でした #ワイン #バー #センター南 #ワインと料理十六夜の月 #瀬戸酒造 #日本酒
2024.06.25
あー 今日は休みます とある酒蔵に来てます

Blog

2022.12.07

小雪 末候 橘始黄

立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至等を経て大寒で終わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。これらをさ らに三つの候、初候、次候、末候に分けたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」。二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせたものが「気候」の語源と言われています。
小雪 末候 橘始黄(たちばなはじめてきなり)
12月2~6日頃がこの候。「橘(たちばな)」とは日本唯一の野生種で、「ニッポンタチバナ」「ヤマトタチバナ」の事をさします。日本書記にも登場しており、「柑橘(かんきつ)」という字に使われているほどですが、柑橘の代表というと「蜜柑(みかん)」ですね。学名もミカン科ミカン属なんですが、その歴史は蜜柑よりも圧倒的に古いのです。
日本書記に登場と書きましたが、「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」という不老不死の霊薬として書かれているものが橘ではないかと言われていて、「橘」という名で出てくるわけではありません。古事記にそれが今の「橘」である、というような事が書かれているので、そうであろうということです。いわゆる常緑樹ですから、枯れることを知らぬということが、永遠、不老不死の意味として捉えらるのです。松も同じです。
しかし、まあ、もう「橘」自体はそれほど多くなく、いわゆる甘い「蜜柑」の方が生産量、流通量ともに多いですね。江戸時代あたりからは、柑橘を総じて「橘」と表現することが多くなっておりますが、この候に関しては本来の「橘」であると思ってください。
京都御所紫宸殿の庭には「左近の桜、右近の橘」として植えられております。苗字としても使われおりますが、家紋のデザインとしても多く、そのはじまりは平安時代で実に90以上の種類があり「日本十大家紋」の一つとされています。文化勲章のデザインも橘です。
植物繋がりで、今が花期の「ヤツデ」のお話し。葉先が八つに分かれていることがその名の由来ですが、必ずしも八つとは限らず、七つから九つほどですが、いわゆる縁起の良い「八」を使い「八手(やつで)」となりました。別名を「天狗の羽団扇(てんぐのはうちわ)」ともいい、厄除けに用いられたりもしていて、江戸時代には庭木としてよく植えられていました。
2022.11.26

小雪 初候 虹蔵不見

立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至等を経て大寒で終わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。これらをさ らに三つの候、初候、次候、末候に分けたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」。二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせたものが「気候」の語源と言われています。
小雪 初候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)
11月22~26日頃がこの候。二十四節気の「小雪(しょうせつ)」に入ります。雪が降り始める頃という意味ですが、都会では年に一度か二度くらいしか積もるほどの雪は降りません。初雪、なんていっても「見た?見えた?」というレベル。とはいえ、冬が始まることに変わりはありません。
「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」とは、虹をあまり見かけなくなるということで、「清明(せいめい)末候 虹始見(にじはじめてあらわれる)」(4月14~19日)に対をなす候です。「虹」って、昔の人は生物だと思っていたようで、日本では1200年頃まではそう考えられていたらしいですよ。中国でもそうで、だから、漢字に「虫」がついているんですね。世界中でもそうだったようですが、古代ギリシャでは紀元前300年頃にはもう物理現象であると分かっていたようで、学問の差が1,500年もあるんですね。その頃のこの国はいわゆる「縄文時代」ですかね。弥生人が渡来し始める頃かな。あー、だからそういう知識が入ってきたということか。しかし、それは縄文人が理解したのではなく、理解している弥生人が住み始めたという事ですよね、つまりは。余談ですが、その頃の中国は「キングダム」の時代ですね。
さて、11月23日は「勤労感謝の日」です。これはもともと秋の収穫の感謝を捧げる「新嘗祭(にいなめさい)」という祭事でした。戦後GHQによって、宮中の祭事であったため(国家神道の色を消したいので)、休日という形だけ残し「勤労感謝の日」という祝日に変更されました。
本来は旧暦11月の2回目の卯の日に行なわれていましたが、明治時代に太陽暦が採用された年の11月の2回目の卯の日が23日だったため、この日に固定されました。ちなみに、このときはまだ「新嘗祭」です。そして、「新嘗祭」は今でも宮中や伊勢神宮などで行われています。

アンコウがスーパーに並んでいるのをよく見かけるようになりました。文化的にはどちらかというと西より東寄り、というか東北のイメージがありますが、日本一の水揚げ量は山口県の下関で2位が島根県。東の1位は青森県。青森県で2位の風間浦村では独特な水揚げの方法で生きたままいつでも水揚げできるので刺身でも食べられる珍しい地域で、「風間浦鮟鱇(かざまうらあんこう)」というブランドを立ち上げ一躍有名になったのです。
アンコウといえばあん肝。フォアグラより美味しいという人も多いですね。そして鍋。あらゆる部位を放り込むアンコウ鍋はもともといわゆる漁師飯で、水を使わず野菜とアンコウの身の水分だけで炊き上げる「どぶ汁」という名で知られています。水を使わないのは、船の上では水がとても貴重品だからです。味付けは味噌。まず土鍋で肝を空焼きして作り始めます。アンコウ鍋は肝がミソということです。
アンコウは捨てるところがない魚で、「吊るし切り」が有名ですが、捌いた後には歯の部分しか残っていないほどです。吊るして捌くのは、アンコウがヌメヌメしていてまな板の上では捌きづらいからです。そして、解体されたその部位を「アンコウの七つ道具」といいます。「肝、身、皮、布(卵巣)、エラ、ヒレ、胃袋」の七つ。それ以外でもほほ肉も食べますし、「とも」という尾びれを含んだ部位もありまが、その「とも」、肝と身を味噌で和えた「ともあえ」という料理では使いません。
さてリンゴのお話。
「りんごが赤くなると医者が青くなる」という言葉があるほどに栄養価が高いのですが、りんごの部分を柿やトマトに変えた同じ言葉もあります。あとは「蜜柑が黄色くなると・・・」とか、「柚子が黄色くなると・・・」などがあります。イチジクや桃も不老不死の果実なんて言われていましたが、今上げた中でトマト以外は全て果物ですね。果物、食べてますか?
リンゴに戻ります。イギリスにも「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」という言葉があります。それから、スペインでは「毎日のリンゴは医者の費用を節約できる」なんてのもあります。
で、何が凄いのかってね、そこですよね。カリウム、カルシウム、食物繊維、ビタミンC、クエン酸、そしてポリフェノール。しかも加熱しても栄養価はそんなに変わらない、どころか、抗酸化作用は増すらしいですよ。食物繊維やポリフェノール、有害物質を排泄してくれるペクチンは皮やその近くに多く含まれるので皮まで食べるのがベストです。効果で特筆すべきは、LDLコレステロールを下げることと(今だとキャベツとブロッコリーもよい)、抗酸化作用ですね。つまり老化防止やガン予防。本当に医療の世界で実験も行われていたようで、さすがに「医者いらず」は大げさだが、その効果は医者のお墨付きです。
さっきも書きましたけど、果物、食べてますか?とりあえず、時々でも、旬の果物を意識して食べることを心がけましょう。美味しい上に健康的なんですから、こんな良いことはありません。
余談ですが、アーサー王伝説に出てくる幻の島「アヴァロン」。これはケルトの古い言葉で「りんご」あるいは「りんごの島」という意味で、聖書におけるエデンの「知恵の実」にも通ずるものだと思われます。ギリシャ神話にも金のリンゴが植えられてる楽園「ヘスペリデス」なんてのもあります。全ての起源はケルト神話における「ティル・ナ・ノーグ」、「常若の国」あるいは「常春の島」などと呼ばれているリンゴの木がある島であるといわれいます。はい、僕の好きな話。
2022.11.26

立冬 末候 金盞香

立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至等を経て大寒で終わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。これらをさ らに三つの候、初候、次候、末候に分けたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」。二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせたものが「気候」の語源と言われています。
立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)
11月17~22日頃がこの候。ここでいう「金盞」とは金盞花(キンセンカ)ではなく「水仙」のことです。金盞花にしても水仙にしても開花時期はずれていますが…。金盞とは金の盃(さかずき)のこと。つまり花の中心に黄色い(金の)盞(さかずき)をもつ水仙のこと。白い花弁は銀の台座です。それを「金盞銀台」といいます。資料によっては「金銭香」を「きんせんこうばし」と読んでいるものもあり、意味を寄せたのか、本当にそう読むこともあるのか定かではありません。

この時期の暖かい日を小春日和といいます。この言葉を聞くといつもさだまさしの「秋桜」が頭に流れます。「こんな〜こ〜は〜る〜び〜よ〜りの〜、お〜だ〜やかな日は〜」ですね。小春は冬の季語です。小春日和は英語で「インディアンサマー」といいます。というと浜田省吾の……なんてね。
「小暑 次候 蓮始開」(7月12日~16日)の中で、カレイが旬だと書きました。その中で冬になれば子持ちになって、と・・・いうわけで、今は子持ちカレイが旬です。もう、これは煮つけ一択で。煮付けという名から煮込むことをイメージしますが、煮込みすぎるとだいたい固くでパサパサな食感になり、味も抜けてしまいます。コツは最初に味のベース(酒、砂糖、味醂、醤油)をまとわせて、水を加え、落し蓋をして10分くらい煮るだけです。先に味のベースを作り(割り下のイメージ)、少し煮詰める、そこに魚を加えキャラメリゼするイメージです。あとは生姜が欲しいですね。スライスして煮汁に入れ香りをつけましょう。針生姜を最後に盛り付けるのもありです。

野菜は沢山ありますね。どれについて書きましょうか。「山芋」にしましょうか。山芋とはヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物の総称なのですが、代表的なものはやはり「自然薯」。「大和いも」や「長いも」など似たようなものはいくつかあります。やまと芋は山芋だけど長いもは山芋ではない、みたいな話しもちらほらありますが、大和いもは長いもの一種である、というような話しもあり、結局どうなのよ、となりますよね。最初に書いたヤマノイモ科ヤマノイモ属が全て「山芋」と呼ばれるのなら、「自然薯」も「長いも」も全て「山芋」です。「やまと芋」は違います。やまと芋はヤマノイモ科ではありますがヤマノイモ属ではありません。で、関東地方で「やまと芋」といわれているものと奈良の「大和いも」は別物であり・・・。
まあ、細かいことはさておき、それぞれの特徴さえ分かればいいでしょう。と、個人的には思っております。簡単に言うと、「自然薯」は当然「とろろ」として食べるのが最高に美味しいですが、スーパーなどではそう簡単に手に入らないので、普段食べるなら「やまと芋」がおすすめ。要するにあの粘りですね。もう一度言いますね。「とろろ」なら「自然薯」か「やまと芋(あるいは大和いも)」です。長いもは水分が多くシャキシャキとした食感が特徴なのでサラダに向いていますが、焼いても揚げても美味しいです。輪切りにしてしっかりと焼いても、少し大き目に切ってレアに焼き、塩と胡椒でステーキ風なんてのもありです。
子供の頃、父親の実家(山梨県の山奥)へ行くと毎度、まず茶碗一杯のとろろが出てきました。「美味しいからたべな」って・・・、白いご飯も何もなく、目の前にただとろろが「ぽん」と。何の説明もなく、まるでお茶を出すように、当たり前のように。もちろん醤油もありません。今にして思えば、それは天然の自然薯で横浜の子供たちにとってはとても貴重で高価なもので滅多に食べられないだろう。そして、とても美味しくて身体に良い、というのは分かりますが、子供たちからしたらオレンジジュースの方が嬉しいし価値のあるものとしか思えませんでした。というか、いったい何が起こっているのか全く理解できませんでした。
自然薯、真っすぐな円筒形のものは基本的に贈答用として作られていてとても高価です。大人になって、食べることが好きになって、あの自然薯の価値がやっと分かりました。でもねぇ、大人の意図することを(その思いやりを)子供が必ずしも理解できるというわけではないのですよ、残念ながら。
とってもローカルな話で申し訳ないのだけど、僕の生活圏内(車や電車で片道2時間以内)では、秦野の震生湖(関東大震災の地殻変動、というか、陥没と土砂崩れで出来た湖)の近くに自然薯農家があり、そこは贈答用の形の良い自然薯を作っているのですが、形の悪いものや小さいもの(いわゆるアウトレット)を¥500~¥1,000くらいで売っており時々買いに行きます。それから山梨県の道志村(道志渓谷を流れる川は横浜市の水源でもあるので、道志村は、実は、横浜市と友好・交流の協定書や横浜市民ふるさと村であったりとその関係は深いが、道志村は2003年に横浜市に合併を申し込み距離的な問題から断られているのです)のとある直売所では成人男性のこぶし大の(形が不揃いの)自然薯がひと籠¥1,000で売っていて、冬になると必ず買いに行きます。
自然薯は水洗いをしたら、皮を剥かずに、その毛をコンロの火などで焼き切り、皮ごとすり下ろして食べましょう。その甘味と旨味といったらたまらないです。醤油をかけると醤油の味になってしまうので、それがもったいなく、何もかけないのがベスト。そう、あの父親の実家で出されていたのが正解なのです。答えにたどり着くまでに数十年かかりました。箸で持つと全部くっついて持ち上がるあの粘り、まるでトルコアイスのようですが、それこそ自然薯の証拠です。
2022.11.12

立冬 次候 地始凍(ちはじめてこおる)

立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至等を経て大寒で終わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。これらをさらに三つの候、初候、次候、末候にわけたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」。二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせたものが「気候」の語源と言われています。

立冬 次候 地始凍(ちはじめてこおる

 11月12~16日頃がこの候。大地が凍る。つまり、霜や霜柱ができる時期、ということですが、朝晩は少し寒いが、まだまだ昼間は温かいですね。というか、私事ですが、10月末まで箱根にいて、11月から地元の横浜に帰ってきたので、季節が数週間戻ったようです。向こうは本当に寒かった。
 まあ、前にも書いたが、この七十二候、もともとは中国から渡ってきて、江戸時代に日本に合わせて改定されています。つまり旧暦の頃に作られているので、やはり若干のずれはあります。
 さて「七五三」です。本来は旧暦の11月15日に行なわれていました。その日は二十八宿(にじゅうはっしゅく。これについて書くと物凄く長く難しいのですが、すごーーーく簡単に言うとインド発祥中国経由でこの国に来た占星術の一つ)の鬼宿日(きしゅくにち。鬼が宿で休んで出てこない日)で、えー、収穫も終えたその月の十五夜(満月の夜)にその感謝と子供の成長の感謝を込めて加護を祈るようになったと。その初めが、徳川五代将軍綱吉の長男のために行なわれた、という説があります。
 で、なぜ「七五三」なのかというと、三歳は「髪置き」といい、江戸時代、主に女の子は三歳まで髪を剃る習慣があり、それを終えるための儀式のため。五歳は「袴着」といい、男の子が袴を着始めるための儀式。七歳は「帯解き(紐解き)」といい、女の子が付紐の着物から大人と同じ広い帯を着けるようになるための儀式。つまり、七、五、三はそれぞれ別々の儀式であり、三歳と七歳は女の子、五歳が男の子の儀式である、というわけです。
 で、長生きを願う「千歳飴」は江戸時代、浅草寺の境内で売られたのが始まりと言われています。まあ、所説ありますが、食べ物の元祖って、そんなもんですよね。元祖カツカレーを謳っている店を僕は三つほど知っています。
 さあ、得意な食べ物の話にいきましょう。ほうれん草の話。これも一年中売っていますが、冬の方が甘味も栄養価も高いのです。ビタミンCは夏の三倍くらいあるそうですよ。味では分からないんですけど。ここで栄養素を並べはしませんが、中でも貴重なのが鉄分ですね。意外と摂れる植物は少ないのです。で、その吸収率を上げるためにはタンパク質と一緒に食べましょう。まあ、言われなくて、だいたいそう食べますよね。でも、おひたしも食べたいですけど・・・。
 昔、ほうれん草を生で食べるとガンになる。なんて言われていたけど、それってうちだけでしょうか。焦げたものとかもそう言われていました。まあ、要するに食べるな、って事でしょうけど。調べてみれば、たしかに毒素はあるんですが、相当量食べない限り何の問題もないそうです。僕が若いころに初めて飲食店でバイトをした店でほうれん草のサラダを出していて、物凄く抵抗感がありました。子供の頃に植え付けられたイメージってやっぱり強いです。今ではサラダほうれん草なんてのも売っていますねスプラウトとか。僕の好きな農家さんで朝採ってすぐのほうれん草を生で食べた時は、違和感を抱くほどに甘くて驚いた記憶があります。砂糖でもかかっているんじゃないかと思うくらいに甘かったのです。鮮度の良さによるものでしょうけど、僕の子供の頃より品種改良が進んでいていろんな野菜が食べやすくなっているというのも事実ですね。前にも書いたけど。
 ところで、「ほうれん草のおひたし」ってどう作りますか。たまに茹でたほうれん草に醤油かけておひたし、ってのがありますが「いやいや、それ、浸してねーし。ただの茹でほうれん草じゃないか」と思ったりします。僕は少しの塩でさっと茹でて、軽く水分を絞り、しばらく醤油につけておきます。いわゆる「塩抜き」ですが、茹でた時の塩分を醤油の塩分で抜き、味を入れます(浸透圧の仕事ですが、まあ、これについては今後ちょっと書いていこうかなと思っています)。で、また醤油を軽く絞り、食べやすい大きさにカットしてかつお出汁に浸します。すぐ食べてもいいですが、しばらく漬けた方が味が馴染みます。で、かつお節をかけて完成。醤油はいりません。この作り方が一番美味しいと思います。優しい出汁の香りと品の良い醤油の味、何よりほうれん草の青さがふわりと口の中に広がります。他の葉物野菜で作る時も同じです。あー、でも、ほんだしやら出汁の素的なものは論外です。きちんと昆布とかつお節で出汁をひいてくださいね。
2022.11.07

立冬 初候 山茶始開

立春に始まり、春分、夏至、秋分、冬至等を経て大寒で終わる「二十四節気(にじゅうしせっき)」。これらをさ らに三つの候、初候、次候、末候に分けたのが「七十二候(しちじゅうにこう)」。二十四節気の「気」と七十二候の「候」を合わせたものが「気候」の語源と言われています。
立冬 初候 山茶始開(つばきはじめてひらく)
11月7~11日頃がこの候。二十四節気の「立冬」に入ります。冬の到来です。そして初候「つばきひらく」と読みますが、これはツバキ科の山茶花(さざんか)の事です。「さざんかさざんか咲いた道~」ですね。落ち葉焚、なんて昔はよく見ましたし、うちでもやっていましたが、昨今はいろいろとうるさいので見る事もありません。庭でゴミを焼いたりね、していましたけど。

さて、冬の野菜のといえば葱。葱、大好きです。一年中流通していますが、この時期になると泥付きの葱なんかもよく見ますね。関西では九条ネギを代表とするように青葱が好まれますが、ここでいうのはいわゆる根深葱と呼ばれるもの。有名なところだと群馬県の下仁田ネギや埼玉県の深谷ねぎですか。カタカナだったりひらがなだったりするのは商標的なアレで。
葱は奈良時代に日本に渡来しました。その原産は中国西部やシベリアあたり。紀元前200年頃には中国で栽培されていたようです。その栄養に関してはあれやこれやは書きませんが、風邪の予防にもなるし、美容にもいいし、ということは方々で言われています。どこの動物園だか忘れましたが、猿も冬になると風邪をひくのですが、葱を食べさせるようしたら風邪をひかなくなったといつだかのニュースで見たことがあります。
葱を使った料理なんて上げればキリがないですが、鍋にはかかせないですね。個人的に作る常備菜の一つとして焼き葱の酢漬けがあります。軽く塩を振り、焼き色がつくまでフライパンで焼き、酢に漬けるだけです。酸っぱいものが好きな人はお酢だけでもいいですが、少し甘味を加えたほうが食べやすいかと思います。ピクルスにしてもいいと思います。葱のおひたしなんてのも美味しいです。これも焼いて、出汁と醤油で味をつけるだけ。青い部分は細かく刻んで味噌に混ぜ、葱味噌なんてのも美味しいですよ。ごま油で炒めて、酒と味醂、醤油などで味をつけ味噌に混ぜるレシピが多いですが、僕はそのまま味噌に混ぜるだけで十分美味しいと思っています。お肉に乗せたり、野菜をつけて食べたり、なんならそれを味噌汁にも使えますし、個人的には変に味をつけるよりは使い勝手がいいかな、と。

ねぎのおひたし
そして冬といったら鍋ですね。それこそそのバリエーションは無限にありますが、個人的には葱と椎茸と豆腐と白菜が入っていればそれだけで幸せな気分になります。メインはその時ある美味しいもの。豚でも魚でも。豚肉だとバラが一番良いですかね。ロースは煮すぎると固くなるので、しゃぶしゃぶの時しか使わないかな。肩ロースなら多少煮込んでも良いと思いますが、ちょっと肉久しい。魚だと手に入りやすいのはタラですか。野菜もきのこの種類を沢山入れるとまた旨味がアップします。

ブリのすき焼き
鍋の話しをふっておいて、すき焼きの写真を上げる、という。タラの鍋を作ったのですが、火を入れる前の写真だけ撮って、完成品は撮り忘れて食べてしまうという失態。まあ、よくやるんですが・・・。というワケで、ブリのすき焼き。野菜は葱と椎茸だけ。すき焼きといっても一般的な具材を割り下で煮込むものではなく出汁で割ったあっさりとしたもの。フライパンでぶりを焼き(最初に皮目をしっかりと焼く)、味醂だけを入れアルコールを飛ばしつつブリに甘味をまとわせる。味醂に少しとろみが出てきたら醤油を入れ全体になじませたら出汁を入れる。葱と椎茸を入れ煮込む。
凄く地味な絵面ですが、美味しいのです。キノコをもっと入れたらもっと香り高くなると思います。松茸なんてあったらいいかもしれない。残ったつゆはご飯にかけて生卵、なんてのもありです。ねぎの青い部分がメインで入っているのは魚の臭み消しの役割も担ってます。
2022.10.03

ホームページをリニューアルいたしました。

この度、ワインと料理十六夜の月のホームページを開設致しました。
2022.04.04

豚スペアリブの白ワイン煮込み

最近、ブログをサボっていることを指摘されたので、お詫びに簡単なレシピを一つ。
 今回はスペアリブを使いましたが、豚バラでも美味しいですし、小さく刻んで作ればいわゆるラグーです。ラグー・ビアンコですね。
 香味野菜(玉ねぎ、人参、セロリ)をみじん切りにします。イタリアンでいうところのソフリットです。同量でもいいですが、僕は「玉ねぎ>人参>セロリ」って感じです。最終的に煮込む鍋で、軽く塩をふり、良い香りがしてくるまで中火で炒めます。この塩がポイント。野菜から水分を出し、旨味を香りを引き立てます。
別のフライパンでスペアリブを、塩をして、全体がいい色になるまで焼きます。焼いた肉を香味野菜の鍋に入れて白ワインを肉が沈むだけ入れます。
 後はひたすら煮込みます。アクがでたら取って、ふつふつするくらいの火加減で30分ほど。
 完成。盛り付けて、ホワイト・ペッパーを削りかけたら温かいうちに食べましょう。僕はどんな料理でも基本的にペッパーは食べる直前にかけます。
 肉に粉をはたいて焼く場合は先にかけますが。ペッパー類は水に溶けないし、香は飛ぶし、焼いたり煮たりしていたら落ちるし、なので直前の方がその魅力を最大限に発揮できると思います。ステーキに関しては強火で焼く人も多いですが、その場合、焦げる可能性があります。やっぱり食べる直前にガリガリっとやるのが一番です。
豚バラブロックを同じように作り、適当な大きさに切って。ゴロゴロと切ってパスタソースにしても美味しいです。
 スープも美味しいので、パンをつけたり、パスタソースにしても良いです。

Chef

依田 真一 氏ヨダ シンイチ

体が喜ぶ本物の味わい―。
季節のものを食べることには意味がある

1978年、神奈川県生まれ。プライベートでは各地から調味料を
取り寄せるなどして料理づくりを楽しみ、ワインの知識を深める。

依田 真一
店名
ワインと料理 十六夜の月
住所
神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央46-5
カネキビル1F
TEL
045-482-5405
営業時間
18:00~0:00 (火・水・木・金・土))